小さな貿易会社を経営してる人のブログ

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ナンピンとは

まずナンピンとは買い下がり、売り上がりと言って、1回のトレードにおいて、ポジションいくつかに分割する事によって建玉を平均化していく手法です。

目次

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例えば、最高で3ロット(枚)ポジションを持てると仮定して、クロス円で1ドル100円のキリの良い値で売りを仕掛ける場合を想定すると、100.000で3枚全てを一度に売りエントリーせずに100.000で1枚だけ売りエントリーをします。その後相場が上昇したら、100.100で1枚追加売り、継続して上昇したら100.200でさらに追加売りエントリーのようなイメージです。

えっ、損切りは?といえば、今回の場合最高で3ロット持てると仮定しましたから、100.200のエントリーで3枚全ての玉を使い切っています。なので通常は任意の損切りポイント(今回は100.400や100.500など)でやっと初めて損切りをする事になると思います。

ナンピンのメリット

ナンピンの最大のメリットは建玉の約定値を平均化出来る点にあります。

約定値の平均化と言っても中々パッとしないと思いますので、図を用意しました。

1.獲得pipsの違い

f:id:ryosshan:20190918034504p:plain *ナンピンした場合の平均約定値の求め方 (100.0+100.1+100.2)÷3=100.1

2.損切り値を同じ価格にした場合の損失pipsの違い

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単純にこれら1、2の優位性があるのが、ナンピンを使ったトレードです。

ナンピンのデメリット

先ずナンピンをするにあたって必ず守らなくてはならないのが計画性です。

ナンピンする予定でエントリーした最初のポジションは追加する余力を残して小さめの枚数のはずですから、基本的には初めてエントリーした時点で腹をくくって相場の逆行に対して、計画通り機械的に追加エントリーをしていかなくてはなりません。何となく怖いから直ぐに損切りしてしまう様ではそれはもはやナンピントレードではないですし、自身のトレードルールを破ることを意味します。

故にナンピンのデメリットは中々損切りを出来ない点であり、相場の方向性を間違えると自身の資産を思いきり削ることになる場合が多くあります。

1.ナンピンしている時の心理

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この場合の平均約定値は100.100で損切り値から差し引いて-30pipsとなりました。

2.ナンピンしていない時の心理

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この場合では比較的早い段階で損切りが出来たので、-20pipsとなり、ナンピンした手法よりも損失額を抑える事に成功しています。

つまりデメリットとは・・・

1.精神的負担が大きい事。

ナンピンを想定したトレードを行うとどうしても、時間軸が長めのトレードになってしまう事が多くあります。

時間軸が長めになるということは含み損を抱える時間も必然的に多くなるということです。

故に精神的負担は計り知れないものがあります。

2.一回の損失額が多くなりがちになる

ナンピンデメリットとして1番の問題は易々と損切り出来ない点です。逆行する相場の値動きに一抹の不安感を抱えながらも、計画的にポジションを増やす必要があるので、完全に方向性を読み違えた時の損失額はナンピンを行わないトレードに比べて遥かに多くなります。

3.機会損失をする場合も多くある

これはどういう事かと言うと、エントリーを3分割すると決めていた場合で1番初めのポジションは1枚だとしましょう。もし、2番目3番目のエントリーポイントに届かないまま予想していた方向に相場が向かっていったら?

本当は3枚ポジションを持つ事が出来たのに1枚しか持てなかった訳です。それは2枚分の機会損失と考える事も出来る訳です。

まとめ

小難しい話しばかりでしたが、ナンピンのメリット、デメリット共に分かったところで、私なりのナンピンと言う手法に対する見解を述べますと、手法としてはアリです。

絶対活用すべきだと思います。

ただし、色々と制約というか、アレンジする必要があるのかなとも思っています。

例えば、ナンピンは3回までといった簡単な事から、厳格なマイルールを制定した上でマーチンゲール法を組み合わせてみたり、縦軸(価格)要素に加え、横軸(時間)要素もナンピンに取り入れてみたり(ドルコスト平均法に似たようなもの)とアレンジの仕方は様々です。