バルサラの破産確率表とは名前から察する事が出来るように、ナウザー・バルサラという数学者が考案した「ある条件下のトレードを続けた場合に終着点として破産する確率」を計算したものです。
もう少し噛み砕いて言えば、あなたは「危ないトレードをしているのか」それとも「安全なトレードをしているのか」を数学的に示したものです。
目次
計算方法
計算方法としては、主に以下3つの値を使用します。
1.勝率
勝率(%)=勝ちトレード÷総トレード数×100
(例)10勝4敗の場合は、勝率10÷14×100=71.4%
2.損益率
損益率(倍)=トレードの平均利益÷トレードの平均損失額
(例)平均利益額5000円、平均損失額3000円の場合は、損益率5000÷3000=1.7倍
3.リスクにさらす資金比率
リスクにさらす資金比率(%)=トレードの許容損失額÷口座資金×100
(例)口座資金10万円で1トレードの許容損失額が1000円の場合、リスクにさらす資金比率=0.1÷10×100=1%
リスクにさらす資金比率1%の場合の破産確率表
上の表はリスクにさらす資金比率を1%に限定して計算した破産確率表になります。(口座資金10万円に対して1トレードの許容損失額が1000円の場合。口座資金100万円に対して1トレードの許容損失額が1万円の場合など。)
縦軸は損益率(RR比率)を当てはめ、横軸は自身のトレード勝率を当てはめます。
例えば勝率71.4%、損益率1.7倍だった場合、表に当てはめると破産確率は0%ですね。これは極めて安全なトレードと言えます。
逆に勝率が35%、損益率が1.8倍だった場合、破産確率は100%となり、極めて危険なトレードだと認識することができます。
また、注目すべきは表の勝率50%、損益率1(利確、損切り幅が同じ)の時の破産確率です。
一見、勝率50%の損益率1と聞くと対して危ないトレードを行っているようには思えませんが、なんと表では破産確率100%を示しています。
何故、勝率50%で損益率1の時の破産確率は100%になるの?
上記の計算例で示すと、1回目で利益が出たため、元金が増額しました。2回目、3回目で損失となり、元金は100万円を下回ってしまいました。4回目、5回目と利益を出したことにより、最初の元金を上回り、最終的には単純計算で勝率約66%、損益率約1.48でバルサラ破産確率表から判断すると「勝ち」という結果になりました。
4回目までのトレード結果による勝率が50%ですので、このまま同率で勝ち負けを繰り返すといつしか破産することを示しているのが、バルサラ破産確率表の赤色で示した箇所になります。
まとめ
すでに気づいている方もおいでになるかもしれませんが、リスク資金が低いとトレード中に「負け」てもどこかで勝率を上げることで「勝ち」になり、元金を上回る結果になります。
リスク資金を10%以上にしてしまうと、トレード結果によっては破産確率も高くなり、早いうちに破産という結果になります。
ということは元金がいくらであってもリスク資金が高ければ、破産確率も高くなり、リスク資金が低く、勝率が高ければ元金を上回りますので「勝ち」という結果になります。
また勝率が低ければ、あっという間に破産確率も高くなります。