「木を見て森を見ず」
これは物事の一部分や細部に気を取られて、全体を見失うことを意味します。
全体像を見失うと様々な弊害が起こります。仕事でもそうですが、明確な目標(全体像)を定めておかなければ、自分の担当する仕事(部分的な部分)は時として、方向性を見失い、結果失敗に終わってしまいます。
FXにおいても同じことが言え、「テクニカル分析」、「ファンダメンタルズ」ばかりに気を取られていてはダメで、さらに多角的、かつ本質的な部分を理解しておかねばなりません。
そして今回は「勝率」と「リスクリワードレシオ」というワードを絡めながら、トレードの本質的なお話しをしていきたいと思います。
目次
リスクリワードレシオ1:1、勝率50%の勝負
先ずトレードというものは、非常にシンプルで、今の価格から「上に上がるか」、「下に下がるか」この二択を当てるだけのものです。
トレードの本質「リスクリワード1:1、勝率50%」のシンプルな勝負の例は以下になります。
USD/JPYを1ドル100円で1万通貨買うとします。(100万円分)
これが1ドル120円になると予想して、そこに売り指値を置き、売り指値に価格が到達すれば、そのトレードは勝ちです。(+20万円)
もしも、119円まで上がったが、そこを天井として、下がってしまった場合は、「リターンと同程度のマイナス値」即ち、1ドル80円に逆指値(損切り)に価格が到達するようなら、そのトレードは負けです。(-20万円)
・勝ちであった場合は+20万円の利益。
・負けであった場合は-20万円の損切り。
仮に、1ドル120円にも80円にもならない場合は、まだ勝負はついていないということになります。
「リスクリワード1:1、勝率5割」 を意識する場合、どちらかの価格に到達するまで待つことにより、大数の法則で、限りなく勝率は5割に収束していきます。
FXで勝てない人の特徴としては、この土台を軽視しており、不利な勝負で資金を溶かしてしまっていると言えるでしょう。
リスクリワードレシオ10:1、勝率10%の勝負
では次にUSD/JPY1ドル100円で1万通貨分買い、目標値を1ドル150円とし、一方でマイナス値を1ドル95円とした場合。
・勝ちであった場合は+50万円の利益。
・負けであった場合は-5万円の損切り。
50÷5=10となり、リスクリワードは10:1となります。
一見リスクリワードレシオが高いと有利に見えますが、トレードの本質で言えば「1:1」の場合も「10:1」の場合も変わらないが正解です。
何故なら、トレードにおけるもう1つの要素である「勝率」が変動するからです。
・リスクリワード1:1 勝率50%
・リスクリワード10:1 勝率10%
このようにリスクリワードを上げれば上げる程、同時に、勝率は下がっていきます。
これを「トレードオフの関係」と言います。
まとめ
軽視されがちではありますが、トレードの本質とは本来、「勝率」と「リスクリワード」この2つの要素を天秤にかけながら、ポジションを持つことにあるのです。
最後に、ここで面白い例を1つご紹介したいと思います。
リスクリワードに特化した例
今手元にある1万円をトレードで100万円にしようとするとします。
この場合のリスクリワードは99:1 勝率は1%となります。
リスクリワードが高いが故の勝率の低さとなり、普通に考えればこの挑戦は困難を極めることが容易に想像できます。
ただし、抜け道はあります。
ここで重要となってくるのが「細分化」。
1万円を2万円にするか0円にするかの勝負(リスクリワード1:1、勝率50%)を7回行い、すべて勝利した場合はどうなるでしょうか。
2-4-8-16-32-64-128となり、勝率50%のトレードを7回繰り返すだけで128万円になります。
これならいけそう!
と一瞬思うかもしれません。しかしながら、言葉尻が変わっただけで、何も変わっていないのです。
勝率50%のトレードが7回連続で成功する確率も計算してみれば、1%程度となるのです。