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経済学における三大思想まとめ

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今回は経済学における大きな柱である3つの思想について簡単にまとめていきたいと思います。

 

古典派経済学・新古典派経済学

古典派経済学の考え方は大きく言えば自由主義。

小さく言えば経済は資本主義であり政治は議会制民主主義です。

新古典派経済学はこれらに加え、市場経済を自動的な安定化作用をみなすものと考え、政府はなるべく経済へ介入しない考え方です。

 

・資本主義とは

自由な経済体制のことを指し、働いたらその労働量に応じて報酬が得られると言う制度であり、自由に経済活動を行える社会と言えます。

また、業績の良い会社に就職して多くの報酬を受け取る、起業して稼ぐなどの選択肢は本人次第です。成功すれば沢山の富を手に入れることが出来ますが、逆の場合、失業や生活苦のリスクもあります。

 

・議会制民主主義

一言に言ってしまえば、国民の代表者による機関を議会とし、その議会を通じて国民の意思を政治に反映させる制度であると言えるでしょう。

また、現在の日本は、選挙で選ばれた代表者が、議会で話し合って政治を決める仕組みであることから、間接民主制であるとも言えるでしょう。

間接民主制の反対に直接民主制がありますが、これは国民が直接、政治に参加する仕組みであることから、国民全員が集まって議論をする事は大変ですし、結論が出るまでにとても時間がかかると言う観点から、非現実的であり、日本に限らず、世界の多くの国では間接民主制が主流となっています。

 

・古典派経済学と新古典派経済学の違い

古典派は、元々政治学や哲学から飛び出したもので、思想的な意味合いが強く、対する新古典派は財・サービスの価格や生産量の決定プロセスを厳密に数式やグラフで表し、科学的な意味合いが強いです。

このことから、新古典派は古典派を数学的にレベルアップしたものと捉えれば良いと言えます。

また、『価値』の捉え方が異なっており、古典派は財・サービスの価値は、その財・サービスの生産に投入された労働で決まるとしています。『時給1,000円で2時間かけて作った車は、2,000円の価値がある』とする考え方です。

一方で新古典派は財・サービスの価値はその市場に参加している人々の主観的な評価で決まるとしています。『私が思うみかん1個分の価値と、あなたが思うみかん1個分の価値はそれぞれ違う』とする考え方です。

 

 

ケインズ経済学 

古典派、新古典派と同じく大きな視点では自由主義であり、小さな視点では、経済は資本主義、政治は議会制民主主義でありますが、大きな違いとして、市場経済を自動的な安定化作用を備えたものとみなさず、不況時は政府が積極的に経済へ介入する考えであることから介入的自由主義と言えるでしょう。

 

 ・介入的自由主義とは

金融政策(利子率の引き下げ) 経済政策(公共事業など政府が経済のためにお金使う)などといった、景気が悪くなれば、政府が積極的に経済へ介入する考え方です。

中でも、有名な事例が1930年代に起きた『世界恐慌』への解決策として行われた”ニューディール政策”です。

このニューディール政策では、恐慌により失業者が溢れる当時、アメリカにあるテネシー川と呼ばれる川に大きなダムを造る公共事業を行いました。結果的にダムを造るといった大規模な事業により、大きな雇用を生み、不景気が回復したと言われています。

 

マルクス経済学

 このマルクス経済学は社会主義的思想で知られていますが、実は社会主義そのものを論じる事は無く、これまでの資本主義の矛盾と問題性を批判的に継承した考え方であると言えるでしょう。

つまり、資本主義こそが生産力の急速な上昇をもたらすと認めた上で、それと同時に資本主義が生み出す問題点(貧困、格差社会)を解決する方法として、社会主義の必要性を訴えたのです。

 

・社会主義とは

市場経済を国家によって統制する事で、国民全員の経済格差を無くす万民平等が基本概念です。分かり易く言えば国民全員が公務員といった形式です。

国家単位で経済を主導する為、資本家(企業)同士の競合が無くなり、結果として労働意欲を削ぎ、市場が発展しない弊害が発生した事からソ連をはじめとする社会主義国は崩壊しました。

 また、万民平等としながらも国家というトップが存在する矛盾が発生し、独裁化されやすいリスクが高いと言えるでしょう。