小さな貿易会社を経営してる人のブログ

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ゼロサムゲーム・プラスサムゲーム

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世の中には投資、投機、ギャンブル、いずれも資金を投入して収益を得る方法があり、それらにはゼロサムゲームとプラスサムゲームの2通りのゲーム(投資)が存在します

 

まず、それぞれの違いを簡単にご説明します

 

投資・・・利益を得る目的で事業などに資金を出すこと。比喩的に、将来の利益のために多額の金銭を投入すること(長期的視点)

 

投機・・不確実だが当たれば利益の大きい事をねらってする行為や、市価の短期間の変動の差益だけをねらって行う売買取引(短期的視点)

 

ギャンブル・・・ギャンブルには胴元が居り、偶然性のある事象に対してお金を賭けること

 

資金を投入し、収益を得る方法は多岐に渡りますが、資金のみで収益を上げるという観点では、上記これらに限定されます

そしてこれらは、2つに分類されると言えるでしょう

 

プラスサムゲーム

プラスサム・ゲームとは、ゲームに参加したプレーヤー全員の損益の総和(合計)が、プラスになる場合を言い、あるプレーヤーの利益が必ずしも他のプレーヤーの損失に結びつきません

相手と協調することで、お互いの利益が増す場合があるので、競い合いながらも協和を図る事により有利になります

 

そんなプラスサムの代表は株式投資であると言えるでしょう

何故なら、企業は基本的に利益を上げる事を目標としている上に、投資効率の高いプロジェクトや事業から順に投資をしていくからです

簡単に言いますと、企業は上昇方向(拡大)のみを目標としており、下降方向(縮小)を目指す事は決してないという事です

つまり、株式投資のベースは上昇トレンドであることから、平均期待値収益はプラスであり、プラスサムゲームと言われるのです

 

ゼロサムゲーム

ゼロサムゲームとは、ゲームに参加したプレーヤー全員の損益の総和(合計)が、0になる場合を言い、あるプレーヤーの利益が他のプレーヤーの損失に結びつきます

ギャンブルも、主催者側の取り分を除けば敗者から集めた資金を勝者で分け合う仕掛けになっているため、ここに該当すると言えるでしょう

 

そんなゼロサムの代表は為替取引です

為替取引は、通貨の交換であるので一方が利益を得れば、一方が損をして市場としての総計は0となるからです

従って平均期待収益は0となり、ゼロサムゲームと言われるのです

 

大数の法則及びまとめ

大数の法則とは・・・試行回数を増やせば増やすほど、理論上の確率に近づくというもの

例えばコインを投げるとします

コインの裏と表の出る確率は2/1ですが10回投げたとしても表5回、裏5回出ることは稀でしょう

しかし投げる回数を100回、1000回と増やしていけば限りなく本来の2/1という確率に近づいていくのです

少ない試行回数では偏りが大きいですが、大きい試行回数では偏りが小さくなっていくので統計学にも応用されます

 

プラスサムである場合、当然勝ったり負けたりしますが、この大数の法則を上手く応用すれば、勝つ確率を高めることが出来ます

・第一に少額の賭けを多く行うことにより、その結果を平均期待収益に近づける方法

第二に長期投資、長期投資はいうなれば一定期間の賭けを連続して行う行為であるからです

 

ゼロサムでもスキルがあれば平均以上に勝つ事が出来る可能性は否定できませんが、プラスサムと比べた場合、著しく非効率的な取引であると言わざるを得ないのです

 

優位性を意識するということは、非常に大切なことであり、自分が今、優位な立場にいるのか、それとも不利な立場なのかといった事をまず正しく理解した上で、物事を押し進めていきたいものですね